2023-05-21

VSTボイチェン覚え書き ver2

2023.08.16 一旦出来上がり。


いわゆるバ美肉ゲーム実況生配信をやっているので、その声に関するメモです。基本的にVSTプラグインのボイスチェンジャー(ピッチ・フォルマントシフター)を使った男声→女声変換です。

基本的に2023年以降のあれこれを書いています。
2019年頃から2022年末頃の内容は別ページになります(VST覚え書き ver1)。説明に重複しているところも多々あります。

DDMF Superplugin と RoVee




VSTホストとしてDDMF Superpluginのスタンドアロン版を使っています。スタンドアロンではなくVSTプラグインとして使える版もありますというかそっちがメイン。
パネルにVSTプラグインを並べて使うような感じです。VSTHostKushview ELEMENTプラグインのような同士を線で繋ぐような形式と比べて融通が効かない代わりに楽ですね。
Windows audio Low latency modeが使えたりなど機能面も豊富です。

色々試してみてSuperpluginに行き着いたのは、ボイスチェンジャーの中心になるRoVeeを使うためというところが大きいです。32bitプラグインと64bitプラグインを同時に扱えて、さらにオーバーサンプリングも使えます。ただし、私の環境では2倍のオーバーサンプリングまでしか出来なかったので、その点ではSuperpluginの機能を活かしきれてはいないとも言えます。

ちなみに他のVSTホストで扱う場合、オーバーサンプリングを使わなくていいならVSTHostやCAKEWALKがいいと思います。これらは32bitプラグインと64bitプラグインを同時に扱えます。あるいはDDMF Bridgewizeで64bit化して使うのがいいと思います。逆に他のプラグインを32bitで統一するという手も考えられますが、iZotope RXが9以降64bitのみになっていたりしてむずかしい選択肢と思います。

プラグイン個別: ボイチェンの前に音ととのえるセクション



  • iZotope RX9 Mouth De-Click…リップノイズ除去を目的としたプラグインですが、他のクリック音?も除去されていて結果的に全体的に音がマイルドになっています。わりと遅延がある方のプラグインですが、有効なので使っています。ちなみにRX Elementには収録されてませんが、[De-ClickのLOW LATENCYモード]は近い効果があります。
  • iZotope RX9 Voice De-Noise…定番のノイズリダクション。音質に影響があるので程々で止めておきます。大人しくしてるときにOBSのメーターに出ない程度までいってればいいでしょう。最近は他の選択肢も増えましたが、軽くて環境を選ばない点でVoice De-Noiseは良いと思います。ちなみに今は夏なのでエアコンの音対策に効きを強めにしています。
  • Black Rooster Audio VPRE-73…プリアンプ。音量を上るのみならず音に倍音が付加されいい感じに存在感が増していく。この後の段階でも音量は大きくするけど、あんまり1つのプラグインで極端に大きくすると音が歪みすぎるような?(よくわかっていない)。さらに低音のカットやEQも使っています。

プラグイン個別: 特にボイスチェンジャー中心セクション



  • [X-Over]…これはVSTプラグインではなくSuperpluginの一部。Bypass状態ではこの下の4つのラインに単純に同じ音が流れています。右2つはプラグインも入ってないしミュートしています。
  • Lindell Audio 902 De-Esser…ディエッサー。歯擦音を削減します。902 De-Esserはあまり設定を追い込まなくてもいい結果を出してくれる感じで、しかも機能が多く使いやすと思います。歯擦音とはだいたいサシスセソとかだと思っていただければ…。地声の人でも歯擦音はある程度抑えた方が耳障りでなくなるのですが、ボイチェン特にRoVeeは歯擦音が入るとすごいノイジーになるので重要です…さらに右側のは音量を下げた上で差分(削られた歯擦音)が出ています。理由は後述。
  • RoVee…ピッチ・フォルマントシフト。これがいわゆるボイスチェンジャーです!見ての通りピッチは最大値にしてます。キリよく1オクターブ上げています。一方右側はピッチフォルマントがほぼ半分です。ようするにディエッサー差分(削られた歯擦音)を小さくされたものに軽めにボイチェンをかけて戻しています。うまく加減できているかはわからないのですが、これがあると歯擦音の不自然さがなくなるんですよね…。

プラグイン個別: 音量と音質をととのえるセクション



  • TDR VOS Slick-EQ…EQ。ここである程度細かく音質を整えています。VPRE-73や50 SeriesにもEQがありますが、細かい調整が出来るタイプではないので…でもVOS Slick-EQもいうほど用途が合ってないかも…書いてて思ったけどWaves F6とかの方が良くない?ちなみにここまでマイクの音は[ステレオの片方だけ入ってる状態]なので一旦モノラル化してます。
  • Lindell Audio 50 Series(前半)…チャンネルストリップ。主に音量調整に関わる複合プラグインです。EQやコンプレッサーは単一のプラグインがあるけどエキスパンダーは単一のプラグインとして中々無い…というのがチャンネルストリップを使う理由の上位です。セットになってる安心感もあります。というわけでまずは音量を上げます。ここでVPRE-73と同じで倍音も加わり音質も変わります([アナログのあたたかみ…]とか[歪み]とか言われるアレです)。ローカットも再度しっかり行います。EQも一応使っていますが、調整が難しいので薄め。
  • Lindell Audio 50 Series(後半)…それからコンプレッサー(小さい音を大きくし、大きすぎる音は抑える)とエキスパンダー(小さい音をさらに小さくする)で音量をしっかり調整します。ちなみにエキスパンダーを使っていることもありノイズゲートは使用していません。
  • RO-140…リバーブ。プレートリバーブでほんのり残響を加えています。会話でも少しリバーブを効かせるといいと言われていたのでかけていますが加減はよくわかっていません…あ、出力がSTEREOになってるのは間違いですね…元がモノラルだからそのままMONOか、左右に差を出すMONO→STを選ぶべきで、STEREOはステレオ音源向け。


※製作予定…